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リンクス歴訪

リンクス・ゴルフに魅せられました。

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ゴルフ発祥の地

10年程前に生まれて初めてリンクスに足を踏み入れました。

その瞬間、体中に激しい衝撃が走ったのを覚えてます。

絶えず吹き続ける強風。 固いフェアーウェイ自然のままのラフ

深いバンカー。  などなど・・・

その時から、リンクス・ゴルフの虜になりました。

海から生まれたリンクス・ランド ゴルフコースの起源

リンクス・ランド』とは、野生の芝草や灌木がある広大な海辺の砂丘地帯の事です。”リンク”。最近のパソコンの普及により一般的に良く使かわれる言葉で『つなぐ』いう意味あいでしょうか。つまり海と陸をつなぐ土地という解釈が出来るかもしれません。リンクスが出来るには、大量の砂を運んでくる河川が必要です。その大量の砂を強い風と波が陸へ押し上げていきます。気が遠くなるような時間、この自然現象を繰り返し、”リンクス”は姿を表します。

又、時間の流れの共に成長と浸食を繰り返して、その姿を変えていきます。そこに棲む鳥が芝草の種を運び、兎がある種の灌木を食する事で間引き、砂丘の表面に芝草の絨毯を引きます。

ゴルフ発祥の土地と言われるスコットランドの土地の周りは温暖な海流であるメキシコ湾流(=ガルフストリーム)が流れている為、高緯度のこの地を1年中温かく包み、適度な湿気をこの緑の絨毯をもたらします。ここに、兎の巣穴と同じ大きさの10.8cmの穴を掘り、ティーグランドを造成し、ラウンドする順序を決めて、ゴルフ・コースとしてのリンクスが出来ました。

イギリスとアイルランドに多数点在するリンクスを紹介していきたいと思っています。

リンクス・ゴルフ 〜メンバーが各ホールに込めた思い〜

全英オープンの舞台のコースのみならず、殆どすべてと言っていいほど、イギリスやアィルランドのゴルフ・コースには、各ホールに名前、愛称が付けられてます。有名な所では、セント・アンドリュース・オールド・コースの10番は、『Bobby Jones(=ボビー・ジョーンズ)』、18番は、『Tom Morris(トム・モリス)』やカ—ヌスティ・ゴルフ・リンクスの6番の『Hogan's Alley(=ホーガンの小径)』などです。ゴルフ・コースのメンバーや倶楽部に関わった人々がホールの成り立ちの歴史やホールの特徴を示す愛称をつけています。

現代では、ゴルフ・コースのホールは番号で呼びますが、昔のメンバーはホールに名前をつけて呼びます。その愛称には、悔しい思いやよい思い出を込めたり、そのホールでの出来事に起因しています。イギリスで一般的に用いられているプレイ方法のマッチプレイでは、必ずしも18ホールで争わなくてもいいわけです。対戦者同士の得意なホールをラウンドするホールに加えたり、対戦相手の不得手なホールを入れたりします。その際に何番ホールと呼ぶより、愛称で呼んだ方が通りがいいのです。

又、イギリスやアイルランドではホールの番号は単にホールの順番を示すという感覚もあります。実際、全英オープンや倶楽部の競技会では、通常のホール番号順通りにラウンドする構成にしないこともありますし、競技会の嗜好に合わせて、廻る順序を変えます。

このようにホール毎に愛称をつける程、倶楽部での時間を大切にし、倶楽部ライフの充実を図っていることの証明です。

あるリンクス・ゴルフの1日

あるリンクス・ゴルフの1日を書き記します。

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ホテルやロッジの1室で目覚まし時計の手を借りる事なく、目覚めます。まるで小学生の時の遠足の日の朝のように、興奮で目が覚めます。洗面所に向かい、口をゆすぎ、顔を洗い、鏡に映る自分の顔が楽しそうな事を確認し、前日にすでに用意しておいた服に着替えます。着替えながら、窓から外を眺め、『今日はいい天気かな?曇っているなぁ〜、雨が降るかな?風は強そうかな?』などと思いを巡らしながら、着替えを終えて、朝食のレストランに向かいます。レストランの付近でゴルフ仲間を見つけ、『おはよう!!』と挨拶を交わします。

レストランではまず窓側の席を確保します。そして朝食のメニュー全体を眺め、その日食べるものを決めて、お皿にとりわけ、ジュースやコーヒーを準備し、手際よく、その日のテーブルに運びます。『頂きます!!』と声に出し、窓から外を見ながら、今日の天気や、昨日のゴルフ、今日のゴルフ・コースを話題にゴルフ仲間と話しが弾み、朝食が進んでいきます。食べ終わると、ロビーでの待ち合わせの時間を決めて、自分の部屋に戻り、ゴルフ・コースに持っていくものの再確認をし、歯を磨き、見出しなりを整えて、部屋をでます。

時間きっちりにロビーに集合したゴルフ仲間と共に、ゴルフ・コースへ向かいます。途中の車中での会話の中心は、その日のゴルフ・コースとなり、難しいのか?長いのか?風は強いのか?グリーンは早いのか?などなど頭の中でゴルフ・コースに思いを巡らします。ゴルフ・コースに着くと、空を仰ぎ、天気を確認し、ゴルフ・コースのプロ・ショップに向かいます。ショップでは、自分達全員の名前を告げて、スタート時間の確認をし、ショップ内をウロウロとします。やがて各々のペースで買い物を続けたり、ゴルフバックを出して、スパイクに履き替えて、練習グリーンやドライビング・レンジにたどり着きます。

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予約の時間を迎えるとゴルフ仲間と少しの賭けと対戦方法を決めて、その日のゴルフがスタートします。風と戦い、ゴルフ・コースのレイアウトを想像しながら、18ホールを楽しみます。時には大たたき、時にはナイス・ショット、ラッキーとアンラッキーを味わいながら、ホールは進み、勝ったり、負けたりを繰り返し、熱中のままに興奮のままにホール・アウトを迎え、ゴルフ仲間との時間が終わりを告げます。互いの健闘を称え、勝者との握手は力を込めて、敗者とのそれは、少し弱くなります。

ゴルフバックをクラブハウスに運び、スパイクを履き替えて、クラブハウスのレストランやバーへ向かい、ビールやコーヒー、サンドイッチを注文し、またしても窓側の席につきます。今日のゴルフを振り返りながら、ゴルフ仲間との話しが盛り上がり、時には追加注文をはさみながら、楽しい時間が過ぎてゆきます。

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やがて会話が少し途切れ始めた頃が席を立つ合図となり、帰路につきます。帰路の車中は、行きの車中より若干静かです。ホテルに着くと、夕食に向かう時間を決めて、各部屋に戻り、シャワーを浴びて着替えたり、ゴルフ・クラブやスパイクを掃除したり、ベットで横になって少しの休息を取ります。

やがて夜の約束の時間にゴルフ仲間と再び落ち合って、夜のメニューを決めて、レストランに向かいます。レストランでは、再びその日のゴルフ談義に盛り上がり、あのホールがどうだった!とかゴルフ仲間の1つのショットやパットを檀上にあげて、会話が弾みます。悪いショットの話題は少なくなり、ナイスショットの話題ばかりが檀上に登るようになると増々、ゴルフ談義は活性していきます。

いつまでも続きそうなゴルフ談義ですが、明日のゴルフを考えて、ホテルに戻り、明日の互いの健闘を約束して、ゴルフ仲間におやすみを告げて、各部屋に戻ります。部屋では明日のゴルフに思いを巡らし、明日の準備をし、ベットに入ります。目を閉じれば直ぐに眠りにつき、明日の朝まで目を覚ますことがない小学生に戻ったようなリンクス・ゴルファーの1日が終わりを告げます。

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リンクス・コースの分布 

リンクス・コース分布図

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スコットランド 〜東側〜

インバネスの北側から北海沿いに東側へ。さらに大陸を北海沿いに南下し、アバディーン、ダンディー、エジンバラを経て、さらに東側の海岸エリア一帯に分布します。北から、ブローラ、ロイヤル・ド—ノック、ネアン、キャッスルシュチュアート、クルーデンベイ、ロイヤル・アバーディーン、カ—ヌスティ、セント・アンドリュース、キングスバーンズ、マッセルバラ、ガラン、ミュアフィールド、ノースベリック、ダンバーとなどなどです。至高のリンクス・コースの宝庫です。全英オープン、全英女子オープン、全英シニア・オープンの舞台が4か所もあります。


スコットランド 〜西側〜

グラスゴーの西海岸から南下した海岸沿い一帯に分布します。ウェスターンゲールズ、キルマーノック、ロイヤル・トゥルーン、プレストウィック、ターンベリー、サザネスなど。キンタイア半島の先にあるマクリハニッシュも外せません。東側一帯にも決してひけをとらないリンクス・コース達です。全英オープン、全英女子オープン、全英シニア・オープンの舞台が3か所もあります。


イングランド 〜中西部・西海岸〜

中西部の大都市マンチェスター・リバプールの西海岸一帯に分布します。シースケール、ロイヤル・リザム&セント・アンズ、ロイヤル・バークディール、サウスポート&エインズダール、ヒルサイド、フォムビー、ロイヤル・リバプールなどなどです。又、リバプールの沖に浮かぶマン島キャッスルタウンの外せません。ゴルフ発祥の地スコットランドから受け継がれたリンクス・コースの魂がこの一帯で生き続けています。全英オープン、全英女子オープン、全英シニア・オープンの舞台が3か所もあります。


イングランド 〜南西一帯〜

ブリストルから西海岸沿いに南下し、尖った半島を回り込んでプリマスまでに分布します。バーナム&べロウ、ソーントン、ロイヤル・ノースデポン、セント・エノドックなどです。ひっそりとこの地で生き続ける宝石達です。


イングランド 〜南東部一帯〜

ロンドンの南東部ドーバー海峡の海岸地帯に分布します。サンドイッチ3兄弟、ロイヤル・セント・ジョージ、ロイヤル・シンクポ—ツ、プリンシズ、ヘイリング、リトルストーンなどです。イギリスの北部スコットランドで発祥したゴルフの魂は、遠く離れたイギリス南端のこの地まで広がっていることの証明です。全英オープン、全英女子オープン、全英シニア・オープンの舞台が3か所あります。


ウェールズ

イギリスの国々の中でもケルト文化が強く残る異国です。イングランドのリバプールの西側とウェールズの境に始まりケルト海の大陸西海岸沿いに南下し、カーディフまで一帯に分布します。ノースウェールズ、コンウィ、ロイヤル・セントデ-ビッツ、アバドービー、テンビー、アシュバーナム、ぺナ—ド、ロイヤル・ポ—スコールなどです。日本の四国程の面積にこれだけのリンクス・コースが点在する程、ウェールズにはゴルフの魂が宿っています。2014年、2016年の全英シニア・オープンはロイヤル・ポ—スコールが舞台となりました。

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北アイルランド(英国領)

ベルファーストの東海岸から北上し、北アイルランド全土の海岸沿い一帯に分布します。ロイヤル・カウンティダウン、カ—キスタウンキャッスル、ロイヤル・ポートラッシュ、ポートスチュアート、キャスルロックなどです。1951年と2019年には全英オープンを開催の大役をロイヤル・ポートラッシュが努めました。


アイルランド共和国

北アイルランド北部から続く、北部から西海岸、南海岸の一帯に分布します。バリーリッフィン、カウンティスライゴ、ラヒンチ、ドゥーンべック、バリーバニオン、トラリー、ウォータービル、オールドヘッド、ザ・ヨーロピアンクラブ、などです。尚、首都ダブリンの東海岸にポートマノック、カウンティライズがあります。荒々しい半島の起伏の激しい海岸沿いのリンクス・コースでは、『風との格闘』がテーマとなります。ゴルフが自然相手のスポーツであることを再認識する瞬間です。

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『ロイヤル・・・』を拝借したプライド

アイルランドやイギリス国内に存在する約3000コースの内、ロイヤル・リバプールやロイヤル・ドーノックのようにゴルフ・コース名の前に『ロイヤル(=Royal)』が付いている場合があります。ゴルフ・コースの名前を付けたメンバーや人物が勝手に、このロイヤルをつけて、使っているわけはありません。確かにゴルフ・コースの名前は、ゴルフ・コースを組織したり、運営を開始した人達が考えて、名付けたり、コースが存在する地域の人達が愛称として呼び始めて、定着するものもあります。しかし、ロイヤル(=王)と名称は、その名のとおり、英国王室が命名したものです。そのゴルフ・コースの歴史的背景や歴史的価値、英国ゴルフに寄与した功績、ゴルフという競技に寄与した功績が認められて初めて、『ロイヤル』の称号が与えられます。勿論、王の名のもとにです。言わば、王室が認めた存在となります。ですから、基本的に名門コースとして認識されますし、王の認めたゴルフ・コースとしての責務を持って、運営されています。現在、アイルランド・イギリス国内で約20コースにロイヤルの称号が付いています。このあたりも大英帝国で発祥したスポーツである特徴です。我々がビジターとして訪問した場合、『ロイヤル』のもつ雰囲気を味わう事ができます。

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2024年3月5日

2024年のゴルフ旅がようやく始まります。楽しみです。

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2024年の全英女子オープンの開催期日が決定致しました。

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